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第二段 ころは――除目のころ
原文
除目のほどなど、内裏わたりはいとをかし。雪降りこほりなどしたるに、申文もてありく。四位五位、わかやかに心地よげなるは、いとたのもしげなり。老いて頭白きなどが、人にとかく案内いひ、女房の局によりて、おのが身のかしこきよしなど、心をやりて説き聞するを、若き人々は真似をし笑へど、いかでか知らん。「よきに奏し給へ、啓し給へ」などいひても、得たるはよし、得ずなりぬるこそ、いとあはれなれ。
現代語訳
任官者を定める除目のころなど、宮中あたりの様子はたいそう興味深い。雪が降って凍りつくほどの寒さの中、任官を願う申文を手に、人々があちこち歩き回る。四位・五位で、若々しく、いかにも将来有望そうな人はとても頼もしく見える。年老いて頭の白い人などが、人にあれこれ取り次ぎを頼み、女房の局を訪ねて、自分がどれほど立派かなどを得意げに説いて聞かせる。それを若い人々は真似して笑うけれど、本人たちには何が分かるだろう。「よいように奏上してください、天皇にお伝えください」などと言っても、任官できればよいが、選ばれずに終わってしまうのは、なんとも気の毒だ。
言葉の手がかり
- 除目:朝廷で官職に就く人を選び、任命すること。任官を願う人々が申文を手に宮中を歩き回り、取り次ぎを頼む様子が描かれます。
- 申文:官職への任命を願い出る文書です。
- 四位・五位:朝廷の位階です。若々しく将来有望そうな人と、任官を願う年老いた人の姿が対比されています。
- 女房の局:宮中に仕える女性の部屋です。年老いた人々はそこを訪ね、自分の優れた点を説いて取り次ぎを求めます。