『紅楼夢』第五回――夢の迷津から秦氏の気づきまで

2026-10-19 記
トピック: AI記事: 中国古典: 紅楼夢

宝玉はぼんやり夢うつつのまま、警幻の言いつけどおり、男女の交わりに及びました。詳しいことは書けません。翌日になると、可卿とやさしく思い合い、親しい言葉を交わして、離れがたい仲になりました。二人が手をつないで遊びに出ると、いつの間にか、ある場所へ来ていました。辺り一面はいばらで、狼や虎が連れ立っています。目の前には黒い流れが道をふさぎ、渡る橋もありません。ためらっていると、警幻が後ろから追いかけてきて言いました。「これ以上進んではいけません。急いで引き返しなさい!」宝玉はあわてて足を止め、「ここはどこですか」と尋ねました。警幻は答えました。「ここが迷津です。深さは万丈、遠く千里に及びます。渡る舟はありません。木の筏が一つあるだけで、木居士が舵を取り、灰侍者が竿をさします。金銀で礼をされても受けず、縁のある人だけを渡すのです。あなたがたまたまここへ来て、もし中へ落ち込んだら、私がこれまで繰り返し戒めてきた言葉を、深く裏切ることになります。」言い終わらないうちに、迷津の中から雷鳴のような音が響き、夜叉や海鬼が大勢現れて、宝玉を引きずり込みました。宝玉は雨のように汗を流し、声をあげて叫びました。「可卿、助けて!」驚いた襲人たち女中が駆け寄って宝玉を抱きかかえ、「宝玉、怖がらないで。私たちはここにいるわ」と声をかけました。

さて秦氏は部屋の外で、小女中たちに猫や犬のけんかをよく見ているよう言いつけていました。ふと、夢の中の宝玉が自分の幼名を呼ぶのを聞き、不思議に思って言いました。「私の幼名をここで知っている人はいないのに、どうして知っていて、夢の中で呼んだのだろう。」腑に落ちないまま、続きは次回に譲ります。

訳文中の語句訳注
迷津警幻が、舟のない場所として宝玉に示す名。
木居士、灰侍者迷津の筏を操る者の呼び名。原文の表記を保つ。