『ヴォルガ・ブルガール旅行記(リサーラ)』――ホラズムにて


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ホラズムにて

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アブドゥッラー・ブン・バーシュトゥーやほかの者たちが、冬が迫っていると私に警告するのを聞き、私たちはブハーラーを出発して、川へ引き返した。そこでホラズムへ行く船を借りた。船を借りた場所からホラズムまでは、二百ファルサフを超える道のりであった。私たちは日中の一部だけ進み、厳しい寒さのため一日じゅう進み続けることはできなかった。そうして、ようやくホラズムに着いた。

表記 訳注
ファルサフ 道のりを表す単位。時代や地域によって長さが異なるため、ここでは現代の距離へ換算せず原文の数値を残した。

私たちはその地の支配者、ムハンマド・ブン・イラーク・ホラズムシャーを訪ねた。彼は私たちを手厚くもてなし、親しく接して、泊まる家を用意してくれた。

三日後、彼は私たちを呼び寄せ、トルコ人の国へ入ることについて話し合った。そして、こう言った。

「そのようなことは許さない。お前たちが自分の命を危険にさらすのを、放っておくわけにはいかない。これは、この若者が仕組んだ企みだと、私は知っている。タキーンのことだ。あの者は、私たちの所で鍛冶屋をしており、異教徒の国で鉄の売買に立ち会っていた。ナズィールを欺き、信徒の長に話を通し、サカーリバ王の書状を届けるように仕向けたのも、この者だ。

道があるのなら、あの国で信徒の長の名を掲げる礼拝説教を行わせるにふさわしいのは、高貴な首長、すなわちホラーサーンの首長のほうであった。さらに、お前たちと、目指しているあの国との間には、異教徒の部族が千もいる。これは君主を欺くことだ。忠告はしておいた。

高貴な首長に書状を送り、首長が君主――神がそのお方を助けてくださいますように――と書面で協議する必要がある。お前たちは返事が来るまで、とどまっているのだ。」

その日は彼のもとから退出し、後日また訪ねた。私たちは繰り返し彼に穏やかに接してなだめ、こう言った。

「これは信徒の長のお命令であり、その書状です。改めて問い合わせる必要が、どこにあるのでしょうか。」

こうして、ついに彼は私たちに許可を与えた。私たちはホラズムから川を下り、ジュルジャーニーヤへ向かった。ホラズムからそこまでは、水路で五十ファルサフある。

私はホラズムのディルハム貨を見た。偽造のもの、鉛のもの、質を落としたもの、黄銅のものがあった。彼らはディルハム貨を「ターザジャ」と呼び、その重さは四ダーニク半である。彼らの両替商は、くるぶしの骨や独楽、ディルハム貨を売っている。

彼らの言葉も気質も、どこの人々よりも荒々しい。その言葉は、ムクドリの鳴き声に何よりもよく似ている。一日の道のりの所にアルダクーという村があり、住民はカルダリーヤと呼ばれている。その人々の言葉は、カエルの鳴き声に何よりもよく似ている。彼らは礼拝のたびに、その終わりに信徒の長アリー・ブン・アビー・ターリブと関わりを断つ旨を唱える。神が彼を喜ばれますように。

表記 訳注
言葉も気質も、どこの人々よりも荒々しい 著者の評価。続く鳥やカエルの比喩も、著者が異郷の言葉をどう受け止めたかを示す表現として訳した。
アリー・ブン・アビー・ターリブ 初期イスラームの指導者。ここでは「信徒の長」という称号で呼ばれている。アリーへの祈願は著者の言葉であり、村人たちの言葉と区別される。
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