ギーター第1章第11節――ビーシュマを全方位から守れ

2026-07-09 記
トピック: AI記事: バガヴァッド・ギーター

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「最強のビーシュマを守れ」という命令に隠れた不安

自軍はビーシュマに守られているから征服できない。そう語った直後に、ドゥルヨーダナは全軍へ「ビーシュマを守れ」と命じます。最強の戦士を守るという、一見不思議な命令です。

ビーシュマには、自分自身を守る十分な力がありました。ただし、シカンディーとは戦わないと決めていました。シカンディーが女児として生まれ、後に男性となったため、ビーシュマは戦士の規範から彼を女性と見て武器を向けなかったのです。

ドゥルヨーダナが恐れたのは、この一点でした。各自が持ち場を守り、シカンディーをビーシュマの前へ出さないよう命じます。

ビーシュマの強さを信じているからこそ、その強さが働かなくなる条件を警戒する。強気な言葉の奥にある不安が、第11節で姿を現します。


ギータプレス版からの日本語訳――第1章第11節「ビーシュマを全方位から守れ」

第1章第11節

ayaneṣu ca sarveṣu yathābhāgamavasthitāḥ |
bhīṣmamevābhirakṣantu bhavantaḥ sarva eva hi || 11 ||

したがって、 あなた方はすべての戦線において、 それぞれの持ち場に配置されたまま、 特にビーシュマをあらゆる方面から守りなさい。

注釈訳

偉大な戦士ビーシュマには、 自分自身を守る力があった。

ドゥルヨーダナも、 その事実を十分に知っていた。

しかしビーシュマは、 ドルパダの息子シカンディーについて、 次のように宣言していた。

シカンディーは女児として生まれ、 その後に性の変化によって男性となった。

しかし、 女として生まれたため、 ビーシュマはなお彼を女性と見なし、 クシャトリヤ戦士の騎士道の規範に従って、 戦場で彼と向かい合うことはしない、 というのである。

そのためドゥルヨーダナは、 以前にも軍を点検した際、 ドゥフシャーサナや他の戦士たちにこの危険を詳しく説明し、 注意を促していた。

今回もまた、 心の奥にあるその不安に動かされ、 ドゥルヨーダナは自軍の主要な将軍すべてに命じる。

それぞれが戦闘配置における自分の持ち場を、 最大限の力で守ること。

そして戦いの中で、 シカンディーがビーシュマの前に出る隙を得ないよう、 特別の注意と警戒を払うこと。

もしシカンディーがそのような試みをしたなら、 その瞬間に武力で追い払わなければならない。

ビーシュマをシカンディーから守ることさえできれば、 カウラヴァにとって恐れるべきものはほかになかった。

なぜならビーシュマにとって、 パーンダヴァ軍のすべてのマハーラティを単独で打ち破ることは、 まったく容易だったからである。

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